福岡高等裁判所 昭和24年(つ)418号 判決
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(理由)
(前略) 原判示二は「その自転車」と判示し以て原判示一の自転車と同一物であることを表示しているのでありしかも、原判示一は「窃盜品である情を知りながら」と明示しているのであるから、判示二は結局「窃盜品である情を知りながら」と言う點をも判示したことに歸するものであることは、その判示自體まことに明白である。從つてこの點に關する所論の見解は採用することができない。しかし、原判決に擧示した證據に照し、原判示事實を見ると被告人は原判示一の日時場所で自称伊藤友春から判示自轉車一臺の売却の周旋を依賴されるや、それが賍物であることの情を知りながらそれを承諾し、その売却の周旋をするため伊藤と共に原判示の場所に保管し、かつ運搬したものであることが明らかである。すると右の運搬は被告人が右自轉車の寄藏を持續状態と認めるのが妥當といはなければならない。然るに原判決は右の運搬を獨立に認定してこれに對して刑法第二五六條第二項を適用し原判示一の賍物寄藏の所爲と併合罪の關係があるものとして處斷しているのであるから、原判決は一個の賍物寄藏の所爲につき更に賍物運搬の所爲を認めて二個の刑を認めたこととなり、結局賍物運搬の點については罪とならない行爲を罪として法律を適用した違法をあえてしたものといわなければならない。そしてこの違法が判決に影響を及ばすことが明らかであるから、原判決は刑事訴訟法第三九七條により破棄を免れない。